文系理系に関わらず、大学生が大学を卒業してエンジニアに就職する方法をまとめました。

大前提として日本のIT企業は大学・大学院の学位をそれほど重要視しない

日系のIT企業は、就職活動に来た学生の学位を就職時の評価にあまり比重を置きません。通常、医者であれば医学部を卒業している、歯医者であれば歯学部を卒業しているなど、専門性を重視して学位を評価しますが、ITの場合は、たとえエンジニアであってもCS(コンピュータサイエンス)の学位を持っているか持っていないかはそれほど大きな評価にはつながっていないのが実態です。

アメリカ系の企業、例えばGoogleやAppleのような企業であれば学位がCS(コンピュータサイエンス)であるかそうでないかでつくことができる会社のポジションが変わりますが、日本の場合はそんなことはありません。

文系であっても理系と同じようにエンジニアとしてのポジションを目指すことができるので、IT資格を取得したり、アプリやゲームを作ってポートフォリオを作り提出するなどしてエンジニアとして就職することを目指すことができます。

エンジニアには2種類のエンジニアがある

まず、日本でエンジニアとして稼働する場合、以下2通りのエンジニアの種類があることを覚えてください。

  1. どこかの企業から業務を委託されている、もしくは事業を委託した企業の下請けの企業である
  2. 自社でサービスを開発してユーザーへサービスを提供している

1と2では立場が大きく異なります。仕事の量が違うということだけでなく、仕事の裁量権や出世、働き方など様々な面で異なっています。

業務を委託されている、もしくは企業の下請けになっている企業への就職

日本のIT企業は多重下請け構造になっていて、実際には大手企業がサービスを提供しているように見えても作業しているのは何重にも下請けした企業が請け負っているケースが散見されます。

自社でサービスを提供している企業

下請けにならず、自分たちでサービスを作り、展開できている企業のことです。例えば、GoogleやAmazonなどは自分たちでサービスを作ってユーザーにサービスを展開しています。

自社でサービスを展開している企業へ就職する場合は下請けの企業へ就職するより高いスキルと人間性が求められます。

業務を委託されている、もしくは下請けになっている企業への就職難易度は低い

自社でサービスを提供しているわけではない、下請けになっている企業への就職難易度はとても低く、求人によっては未経験可というものも多く存在します。この理由は、下請けになっている企業は多くの発注費を中抜かれて作業を大量に担当する奴隷のような労働者を探しているからです。

例えば、一人当たり50万円でA社に発注したとします。そのA社は半分の金額、25万円を差し引いてのこりの25万円のみを労働者に渡します。これが中抜きです。こうした中抜きを行い、企業側は特に労働せず、実際に作業しているエンジニアをかなり安く使っているのが実態です。そのため、自社でサービスを展開せず、中抜いている企業への就職は難易度が低いのです。

入社難易度は低いがスキルアップや労働環境はあまりよくない傾向にある

こうした企業は就職難易度こそ低いですが、誰でも簡単にエンジニアになれる、とうたっておきながら実際にはかなり安い金額で大量の作業を押し付けられる立場で働くことになります。もちろん、スキルアップと関係ないような雑用も大量にふりかかってきます。そのため、可能な限り自社サービスを持っている企業へ就職することがおすすめです。

自社でサービスを提供している企業への就職

自社でサービスを提供している企業へ就職すると下請けではなくなるので、ある程度の立場が担保されます。ただし、企業によっては作業量が多く疲弊することもあるため、就職する企業をよく考えて選びましょう。エンジニアとして就職した場合は、転職回数が多くても特に転職で困る、ということはないのでもし就職先の企業が自分とは会っていないと感じたら積極的に転職の準備をする、という心づもりで就職して問題ありません。

エンジニアは転職が多い業界

エンジニア業界は、プロジェクト単位でエンジニアがアサイン(プロジェクトに参加すること)されるのでプロジェクトが終わったタイミングで別の会社へ転職したり、給料やスキルを上げるために別の会社へ転職したりと、転職回数が多くてもあまり問題視する人が少ない業界です。

転職が多いことがそれほど問題ではない業界だからといってそれをいいことに簡単に転職すればいいや、というなめている考えはやめておいたほうが良いですが、もし万が一この会社で働きたい、と思っていた会社と自分の働き方があっていなかったとしても転職するとき特にマイナスにならないという点は心にとめておきましょう。

新卒でエンジニアになるのに必要なこと

大学を卒業してエンジニアとして稼働するのに必要なことを紹介します。

IT系資格を取得しておくと有利

IT系の資格にもかなり幅があり、難易度の高いものから低いものまであれば、ネットワーク、クラウド、OSなど分野もさまざまあります。

IT資格まで取得した状態で就活する学生はそれほど多くないので就職で相当有利

実はIT系の資格を保有している状態でエンジニアとして就職活動する学生はそれほど多くありません。そのため、学生という立場でIT系の資格を保有していれば、就職活動でかなり強いアピールになります。

新卒で自社サービスを展開している企業への就職を考えている場合は、IT系の資格を取得しておくのがおすすめです。

CCNA、LPIC(LinuC)、AWS資格、基本情報、応用情報など

見出しの通り、CCNAなどをはじめとする有名IT資格は、受験者や保有者も多いことからインターネット上に情報も多く、教材も多いため、これらの資格を保有していれば就職の際に強くアピールすることができます。

斜に構えて「俺この資格持ってるから就職させろ」といった態度をとらなければ、これらの資格を持っているというだけで十分就職で強気に出ることができます。謙虚に「働かせてください」という姿勢を見せ、内定をもらいましょう。

ポートフォリオの作成

クリエイティブなエンジニアに就職する場合は、ポートフォリオの提出が求められます。ポートフォリオとは、自分のスキルをアピールするための情報をまとめたものです。一般的にはURLの形で提出が求められるので、Wixの無料プランであったり、はてなブログであったり、noteなどに自分のスキルや成果物をまとめてポートフォリオを作成します。

ポートフォリオの提出が求められるケース

ポートフォリオの提出が求められるエンジニア職としては以下のものが当てはまります。

  • グラフィックデザイナー
  • ゲーム開発エンジニア
  • WEB開発エンジニア
  • WEBデザイナー
  • アプリ開発エンジニア

厳密にはデザイナーはデザイナーであってエンジニアではありませんが、エンジニアに類似する職業です。